自宅で介護や看護が必要な人と同居している場合、家族の労力や時間の多くがそれに費やされることになります。
家族のことは家族内で解決しようとする気持ちも働き、手助けを求めないまま苦しい思いをされている方も多いのではないでしょうか。
また当事者を置いて出かけたりすることに後ろめたさを持ってしまう方も少なくないようです。
しかし、家族が定期的に介護や看護から離れてリフレッシュすることは、受ける側にとっても決して悪いことではありません。
■ 「訪問看護」サービスを利用しよう
家族が外出するとき、慣れた自宅に専門のスタッフが訪問して看護を代わってくれる「訪問看護」サービスを利用してはいかがでしょうか。
「訪問看護」とは専門の資格を持った看護師が自宅に赴き、主治医の指示に従って医療看護をしてくれるサービスです。
似ているサービスに「訪問介護」がありますが、こちらは日常生活のお手伝いが主体であり、医療行為はできません。
医療措置が必要な人を任せるには、「訪問看護」の方が適します。
■ 訪問看護には公的と自費のサービスがある
訪問看護のサービスには、保険制度によって公的なものと自費のものがあります。
公的な介護保険と自費の介護保険を併用することもできます。
いずれの場合も、主治医から「訪問看護指示書」を発行してもらいましょう。
1.介護保険サービスを利用する場合(公的なもの)
介護保険の申請手続きを行い「要介護認定」を受けましょう。
サービス利用までの大まかな流れは次のようなものです。
⇒ 市区町村の介護保険窓口や「地域包括支援センター」に申請します。
⇒ 認定調査員が自宅を訪問し、本人や家族から聞き取りを行います。
⇒ この認定調査や主治医の意見書に基づいて、要介護度が決定されます。
⇒ それをもとに、ケアマネジャーなどに相談して訪問看護事業者と個別に利用契約をします。
2.医療保険・自費の訪問看護サービスを利用する場合
医療保険が使える方や自費の訪問看護を利用する場合は、主治医または近くの訪問看護事業者へ相
談しましょう。
この場合も、主治医からの「訪問看護指示書」を受けなくてはなりません。
■ 本人も家族も支援してくれる訪問看護
訪問看護では看護を受ける本人はもちろん、その人を支える家族の状況を改善するよう支援することも目的の一つとなっています。
大切な家族のために24時間365日尽力するのは大変なことです。
介護や看護は長期に渡るもの。
時には介護、看護する側の息抜き、心身のメンテナンスも非常に大切なことなのです。
第三者が日常生活に介入することは、生活にある種の刺激を与え、障がいの種類によってはその症状がよい方向に向かう事例もあるようです。
介護、看護する家族が疲れ切ってしまっては助けを受ける当人にもよくありません。まずはこうした制度があることを知り、そしてそれらを適正に利用しましょう。
一人でも多くの方が、よりよい介護、看護生活を送れるようになるとよいですね。
この記事の執筆者
東京在住-武道歴40年(現極真空手五段師範)
(株)AZUMAのホームページ制作に関わって10年。空手・古武術・合気道・総合格闘技などジャンルを超えて身体動作を追求。空手道場を30年以上続けてる一方で、幼年からシニア(80歳以上含む)幅広い年齢層に対して道場、学校、体操教室などでの指導経験をもつ。年齢に関係なく正しい動作改善により健康(腰痛、膝痛など)・パフォーマンスが劇的に変わることを教える。